2011 年に突如発表された NoteSlate という手書き風デバイスは一部で熱狂的な話題となった。
美しいデザインのその端末はモノクロながら電子ペーパーを備え、ペンで紙のように書き込める。
Boogie Boardのように書くだけではなく部分消去や書いたものの保存や閲覧ができる。
そして価格が 199 ドルという正に夢のような端末であった。
発売日を心待ちにしていた人たちが待っていたのは発売延期に次ぐ延期。
カラー版も出すとかこんな機能もあるよといった更新をするも、実物の写真は一切登場しなかった。
当初の発売予定日から 1 年、2 年と経過して人々は皆諦め、NoteSlate は伝説上のデバイスとなった。
しかしそれから 4 年後、遂に NoteSlate が 2016 年 3 月に発売されるという。
それがこれだ。


199 ドルという価格は守ったものの、その見た目は当初の薄く凹凸の無いデザインからはかけ離れている。
大きさがそもそも A4 サイズではない。
そして動画を見ると、ラグが酷い。
電子ペーパーでもないし価格も 2 倍するので単純比較は出来ないが、enchantMOON のほうが使えそうだ。
enchantMOON 16GB Standard Edition
ユビキタスエンターテインメント

 
これはもう NoteSlate ではない。
別の物だ。

NoteSlate は公式による否定によって完全な伝説となった。
もしかするとこの初代 NoteSlate の売り上げによっては伝説の NoteSlate に近い製品が作られるかもしれない。
ただ、それを信じる力は私には残っていない。
そもそも本当に 2016 年 3 月に出荷するかすら疑っている。

NoteSlate や enchantMOON の出来事で思ったのが、世の中手書きデバイスという物はあまり求められていないのでは無いかという事だ。
とすると、もしかしたら iPad Pro と Apple Pencil は Apple Watch のように大爆死するのかもしれない。
しかし手軽に書き込め閲覧できる手書きデバイスはずっと欲しいと思っているので、どこかが出してくれることを祈り続ける。